秋は終わり。 いよいよ近づいて来ました、冬。 今月に入って演奏会に行ったり販売店からの紹介が来たりしていたが この夏から今まで、なんなら交響曲ばかり聴いていた。 切っ掛けはベーム/ウィーンフィルの『田園』だった。アナログディスクで持っているはずだが、カップリングのシューベルトの5番を聴いた事なかったので、そちらに期待して聴いてみたが聴いてびっくり。5番も確かに良かったがそれにも増して『田園』に感銘を受けたのだった。おかしい。ベームがウィーンフィルとベートーベン交響曲全曲を入れているのは承知していたが、良い印象を持っていなかったし、そもそも全曲は聴いていないはず。そして何より晩年のベームは緩んでしまって覇気がないと思い込んでいた。とんでもない思い違いだった。ベーム晩年のベートーベン全集は、直後に同じウィーンフィルで全集を成したバーンスタインのそれをも上回る感動を与えてくれたのだった。 それにしてもおかしい。以前の私は何を聴いていたのだろう? 晩年のベームはブラームスもウィーンフィルと全曲入れているが、それに至っては売り飛ばしてしまっている有様だ。改めて聴いてみると、こちらも素晴らしい。ウィーンフィルのブラームスならバルビローリと思っていたが、それらに勝るとも劣らない。びっくり。誰しも接する時期によってその印象は変わるものと解ってはいるが、こんなにも心象が変わり感銘を受けるとは驚き以外の何物でもなかった。 それでこの夏からあれやこれやと聴き返していた次第。これまで未聴だった録音もこの機会に仕入れたし、いろいろと発見があったな。 どんな冬になることやら。