BWV1008 ジーグを終えた話
野良ギタリストの見立てなど当てにならないものだ。先のクーラントにしろ今回のジーグにしろ、譜ヅラから判断して「弾ける」だったのだが、まるで歯が立たない。形にならないどころか音すら出ない有様だ。スケール単体なら過剰な速度でなければなんとかなる場合がほとんどだが、バスが付くとなると話は変わって来る。これほどバス付きスケールが難しいとは考えていなかったので戸惑うばかり。なぜか? i,m(右手人差し指、中指)で1弦のスケールを弾く場合、p(右手親指)は2、3弦あたりに添えてi,mの支えとミュートをしている。そのpでバスを弾くと、4、5、6弦と下がるに連れて手を開くことになる。すると良い形から延ばしたi,mは弦とのアクセスが不確かなものになってしまう。逆にi,mを保ったままpで低音弦を弾くと角度が付き過ぎてノイズや空振りの原因となる。そんな時はm,a(中指、薬指)でスケールを弾けば良いのかもしれないが、a指動きませんでお馴染みの野良ギタリストには望むべくもないことだ。 バスが付くとスケールが弾けなくなる原因のもうひとつは、pでバスを弾弦する前後はpは中空にあって、支えが無くなってしまうことだ。pの支えが無い状態でi,mでスケールを弾くと不安定なのでミスが増えてしまうのだ。 原因は解った。だが解決策は見つからない。出来るだけ速度を保ちながら、攻めの姿勢を崩さずに弾き続けること2ヶ月半。録画は余裕ゼロの綱渡りだったが、結果は頭を抱えるほどではなく、まずまずな演奏となった。やはり困難な箇所と理由を意識して弾くことが有効だったのかと思う。なにも解決はしていないけれど。 さあ、次はサラバンドだが、これはトリル大会になる。上下スラーならともかく長いトリルなど何がなにやら。 開放と1指とか、3指と4指など音になりゃしない。もはや楽器に問題があるんじゃなかろうかと疑う始末。 「おい」 楽器は最高なんで技術的な問題だ。あれもこれもひとつひとつ取り組んで行く他ない。そしてこの組曲を弾き通すことによって、基礎が向上し新たな技術も習得して行くことになるはずだ。なんてやりがいのある茨の道だろう。そもそも足し算があやふやなのに掛け算解こうとしているようなものなのだが、なんとか場当たりで乗り越えて結果を出すぞ。そして年末には「エイドリアーン」と叫んでやる。 説明しよう!映画『ロッキー...