明日は我が身な話

 冬が来てんだよな。


 タイヤ換えといてよかったろ。


 「あざっす。助かりました」。


 短い秋だったな。



 真横でドンと鈍い音がした。目をやると爺さんがうつ伏せに倒れていた。湯船から若いおじさんが上がって声をかけた。意識はあるようだ。私は緊急用のインターホンをバシバシ押して、温泉施設の人を呼んだ。「男湯で人が倒れた。男湯だ」。
 1分もせずにタオルと飲料のボトルを携えて施設の人が来た。マニュアルがあるのだろう。私もここで人が倒れたのに立ち会ったのは初めてではない。
 倒れたじいさんは大事には至らず、私が更衣室に入った時には呑気に着替えをしていた。きっと上気せたのだろう。長湯するからだ。血液が煮えたんだろ。何してんだか。
 温泉施設だからって必ずしも誰かいる訳じゃ無し、1人のとき倒れて暫く放って置かれたら大事になるかもしれない。実際玄関ドアの前で倒れて、翌日発見された事例が近所であったからな。明日は我が身だ。


 
 帰りには縁石に乗り上げて身動き取れなくなっている車両を見かけた。半分道路に出てんだよ。道理で謎渋滞してる訳だ。勢い良く乗り上げたんで、勢い良く動かさなけりゃどうにもならんのだ。アクセルにしてもブレーキにしてもペダルをペタンペタン踏みつけるからこうなる。駐車場から店に突っ込むのも踏みつけるからだ。スイッチじゃないんだ。運転が雑なんだよ。
 日曜は人が動く。何かと起こる。巻き込まれないようにしないとな。剣呑剣呑。





 

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